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NPOの運営・管理
◆ 毎年提出しなければならない書類
NPO法人には、情報公開が義務付けられています。
そのため毎年、一定の書類を作成し、それを事務所据え置きます。
これらの書類について利害関係人からの請求があれば、閲覧させなければなりません。 また、同様の書類を所轄庁へ提出、所轄庁はこれを公開することとなっています。

毎年、作成しなければならない書類は下記通りです。
  1. 事業報告書
  2. 財産目録
  3. 貸借対照表
  4. 収支計算書
  5. 前事業年度において役員であった者及び、
    そのうち前年において報酬を受けたことのある者の名簿
  6. 社員のうち10人以上の名簿
いずれも各2部ずつ、提出期限は翌事業年度の開始から3ヶ月以内です。
(ただし、登記との関係から翌事業年度の開始から2ヶ月以内に書類が作成されることが望ましいと思われます。詳しくは、資産の総額の変更登記をご覧ください。)
*内閣府提出の場合は、上記部数に事務所が所在する都道府県の数を加え、作成が必要です。

また、前事業年度に定款変更を行ったNPO法人では、上記の書類に加えて
  • 定款変更認証通知書
  • 登記簿謄本
  • 変更後の定款 も提出しなければなりません。
ただし認証を要する変更を行った場合は、変更の際にすでに定款を提出していますので、定款の提出は必要ないと思われます。
認証を要する変更については、定款変更でご説明しますが、詳しくはお問い合わせください。
定款は、法人の中心となる規則です。
ですから定款変更にはまず、( 1 )社員総会の議決が必要です。
定款変更の方法については設立時に定款により定めていると思いますので、その方法に沿って進めてください。

次に、( 2 )所轄庁へ変更の申請を行います。
所轄庁への定款変更手続きは、「一般的な変更」と「軽微な事項に係る変更」とで手続きの方法が異なりますので、注意してください。

下記に該当するものが「軽微な事項に係る変更」、それ以外は「一般的な変更」です。
  • 所轄庁の変更を伴わない、事務所の所在地の変更
  • 資産に係る事項の変更
  • 広告の方法に係る変更
※「一般的な変更」と「軽微な事項に係る変更」との手続きの違いは、
 所轄庁の認証が必要かどうかと、その提出書類です。

最後に、登記事項に変更があれば( 3 )変更登記を行います。
登記事項とは、次の6項目です。
  • 目的
  • 名称
  • 事務所所在地
  • 代表者の氏名、住所(または居所)、資格(理事など)
  • 資産の総額
  • 存立時期
変更登記の期限は、主たる事務所の所在地で2週間以内、従たる事務所の所在地では3週間以内となっています。
変更登記は成立の要件ではありませんが、登記を行わないと第3者への対抗ができなくなりますので、必ず行うようにしてください
定款変更に係わらず、毎事業年度末日の純資産額に変更がある場合には、翌事業年度開始から2ヶ月までに登記変更を行うこととされています。
この際、添付書類として「財産目録」が必要となりますが、所轄庁への提出期限(翌事業年度の開始から3ヶ月以内)と期限が異なりますので、注意が必要です。
◆ 役員変更
法人の役員に変更があった場合は、「役員変更届出書」を遅滞なく、所轄庁に届け出なければなりません。
届出が必要となるのは、以下の場合です。
  • 任期満了
  • 再任
  • 新任
  • 辞任
  • 解任
  • 死亡
  • 氏名、住所(または居所)の変更
※新任の場合は「役員変更届出書」の他に「就任承諾書及び宣誓書」
 「住所等の証明(住民票等)」の提出が必要となります。

また、役員変更は登記事項になっていますので、登記が必要です。
法人の代表者が変更となる場合には、印鑑届出書の提出もお忘れなく。
この場合には、県税事務所や市町村役場、税務署にも「異動届」の提出もあります。

設立の際、定款で定める設立当初の役員の任期を、「設立の日から最初の通常総会開催日まで」としている法人は、その任期満了に合わせて新たに役員を選出し、「役員変更届出書」の提出と登記変更を行う必要があります。
◆ NPO法人の会計
1.「NPO法人会計」と「企業会計」の違い
一般企業は、出資者や投資者から得た資金を元に、利益を獲得することが期待されます。
このような要求に応えるため「企業会計」では、損益計算書が作成されます。
損益計算書は、「利益の源泉となる収益からそれに費やした費用を一覧」にした計算書で、経営成績を報告するものです。
NPO法人をはじめ公益法人などの非営利組織については、利益を獲得して出資者に配分することを目的としておりませんので、損益の把握よりも、活動のために受け取った資金とその資金の使い道、すなわち資金の流れに関心が向けられます。
このような要求に応えるため「NPO法人会計」では、収支計算書が作成されます。
収支計算書は、「調達した資金(収入)と活動に要した資金(支出)を一覧」にした計算書で、資金の動きを報告するものです。(公益法人会計基準)
2.NPO会計に要求されること
NPO法人では、法人の活動結果を法人の構成員(社員)や寄付をしてくれた人たちに対して説明するために、また、法人の活動の合理化、効率化など経営判断などの目的のために一定の会計をする必要があります。
公益法人、学校法人、社会福祉法人などについては、会計に関する基準として、公益法人会計基準や学校法人会計基準などがありますが、NPO法人については、今のところそのような基準は定められていません。
しかし、会員や寄付者といった法人関係者への説明や報告のために、適切な会計処理法法を採用する必要があります。

NPO法人の非営利活動性を考えると、「公益法人会計基準」に準拠した会計処理を選択されることを強くお勧めいたします。

なお、NPO法では最低基準として、
  • 会計原則(27条)
  • 区分経理(5条)
  • 情報公開(28、29条) が定められています。
3.会計原則
NPO法で要求される会計原則は、次の4つです。

1.「正規の簿記の原則」
一定の要件に従った正確な会計帳簿を作成し、この正確な会計帳簿を基礎にして財務諸表を作成しなければなりません。
正確な会計帳簿とは、網羅性(取引のすべてが記録されている)、立証性(検証可能な証拠資料に基づいている)、秩序性(すべての記録が継続的に、組織的に行われている)を備えたものをいい、一般に複式簿記による会計帳簿をいいます。
2.「真実性の原則」
財産目録などの計算書類は、会計帳簿に基づいて誘導的に作成し、この作成された計算書類は法人の財産や収支の状況に関して真実の内容を表示すること。
3.「明瞭性の原則」
計算書類の勘定科目や様式などは、利害関係者などの判断を誤らせないように明瞭(詳細性・概観性)であること。これには、区分表示、総額表示、注記、明細書作成などが挙げられます。
4.「継続性の原則」
法人が選択可能な会計処理の方法の中からいったん採用した方法は、正当な理由がない限り変更しないこと。
計算書類の期間比較性の確保・恣意性の排除を通じて利害関係者の判断を誤らせないようにするためです。
4.区分経理
「特定非営利活動」と「その他の活動」は、区分して経理する必要があります。
また、事業に係る費用と法人の経営等に係る管理費とは区分しなければなりません。
◆ 助成金
当然のことながら、法人を運営していくためには資金が必要です。
しかしNPO法人は営利を目的としていないことから、この資金集めに頭を悩ませている団体も多いのではないでしょうか?

NPO法人の資金の中心となるものは、入会金・会費収入、事業収入の2つです。
これらを充実させることはもちろんですが、短期間での増加は難しいでしょう。
事業内容に自信があるが、資金が足りない・・・そんな時は、助成金の申請もひとつの手です。

補助金や助成金の対象として、法人格を要件としているところも多く見受けられます。 これは任意団体に比べ、責任や財産の所在が明確であることが要因であると思われます。
しかし、助成金を申請しているNPO法人も多く、「お金がないから・・」という理由ではまず無理でしょう。

助成金の獲得は容易ではありませんが、何を目的とした助成なのか、その主旨を見極め、自分たちの熱意を具体的に伝えることが申請のポイントです。

ルート行政書士事務所では、助成金の申請を貴法人に代わって継続的に行うプランをご用意しております。
助成金情報については、こちらをご覧下さい。
運営・管理 FAQ
◆ 社員総会は、必ず開く必要がありますか?
最低でも、毎年1回は開催する必要があります。
◆ NPOの意思決定は誰がするのですか?
社員総会が最高の意思決定機関です。
ただ、解散、定款変更、合併以外は、理事会に委任することも可能です。
◆ 事業報告は毎年しなければなりませんか?
NPO法人には事業報告書等の提出や変更の届出、変更登記などさまざまな義務がかせられています。
これらの手続きを行わなかった場合には、NPO法49条により罰則規定(NPO法人の理事、監事又は清算人は20万円以下の科料に処する)が定められています。
◆ NPOの会計には監督基準があると聞きましたが?
NPO法人の会計については内閣府がその監督基準を定めています。
  1. 特定非営利活動に係る事業の支出規模が、2事業年度連続して
    総支出額の3分の1以下である場合
  2. その他の事業において、2事業年度連続して赤字計上されている場合
  3. その他の事業の収益が、2事業年度連続して特定非営利活動に
    係る事業会計に全額繰り入れていない場合
  4. 管理費の総支出額に占める割合が、2事業年度連続して
    3分の2以上である場合
これらの基準を満たしていないからといって直ちに罰則等が科せられるわけではありませんが、クリアできていない場合は、運営上に何らかの問題があると言えます。 事業費と管理費のバランスを考えて事業活動を行うことが、健全な経営のポイントです。
◆ 帳簿の保存期間を教えてください。
請求書や領収書等の証憑類は法人税法の帳簿保存期間が適用されますので、7年間の保存が必要です。
一方、帳簿の保存期間に関してはNPO法に定めはなく、収益を目的として反復継続的に活動を行わない限り、商法の規定にもあてはまりません。
一般的には商法の適用の有無にかかわらず、決算書類は永久保存とし、帳簿類は商法の規定に準じて10年間保存するのが妥当でしょう。
◆ 資産の総額はマイナスになってもいいのですか?
債務超過がNPOの取り消し原因にはなっていません。
登記の際には、資産の総額金0円(債務超過額○○○円)と記載します。
◆ NPOは事業委託することができますか?
NPOが事業委託として行政から業務を受けるケースが増えてきています。
事業委託を受けるメリットはやはり定期的な収入が見込めること、行政からの業務を受託しているという点において社会的な信用が増加することなどですが、同様の理由から構成員の拡充にも役に立ちます。
マスコミに取り上げられることが良いのかどうかは別にして、現段階ではかなりの確率で取り上げられています。 マスコミで紹介されることにより、上記メリットが増加することは否定できません。
また、他の部署や他の行政からの事業委託が連鎖的に生まれてきます。
現段階で行政からの事業委託を受けれる体制のあるNPOはそんなに多くないからです。
  1. 意志決定の過程が明確である
  2. 支払い規定が明確である
  3. 事業実績がある
この3点は必ずチェックされているようです。
当然NPOとして法令で定められている事項は、確実に行っている必要はあります。
◆ NPO法人で働くことはできますか?
NPO法人での雇用であっても、基本的になんらかわりはありません。
当然に日本の労働基準法や最低賃金法が適用されます。
職員を雇う場合には、税務署や労働基準監督署、社会保険事務所等への届出が必要になります。
◆ NPO法人でも税金がかかりますか?
NPO法人は、法人税法で定める33の事業に該当する収益事業を行っていない場合、法人税の申告は不要となります。
ただし、NPO法人であっても都道府県民税及び市町村民税の均等割に関しては、基本的には課税対象となりますので、減免となるには「法人住民税均等割申告書」と「免税申請書」を提出しなければなりません。
この提出期限は4月末日としているところがほとんどですが、都道府県及び市町村によって多少異なりますので、事前に確認しておく必要があります。様式はそれぞれ指定のものがありますので、記載例に従い手続きを行ってください。
◆ 助成金・補助金にも課税されるのでしょうか?
NPOの収益事業は、法人税法に定められている33業種に該当するのか、しないのかという点が課税・非課税の要件基準となっていますが、助成金や補助金については、その目的の違いが課税の要件基準となります。
法人税法上の収益事業に該当する事業運営のために補助金・助成金を獲得した場合、その獲得した補助金・助成金は課税の対象となります。
これに対し、固定資産の取得のために補助金・助成金を獲得した場合は、その固定資産が収益事業に使用されるか否かにかかわらず、非課税となります。
◆ NPOに寄付したいのですが、
寄付金については免税されるんですよね?
残念ながら通常のNPO法人への寄附金に免税措置はありません。
また法人からの寄付金の場合、損金(経費)に算入することが可能ですがその範囲が決められています。

損金算入限度額=(資本金の金額×0.25%+所得金額×2.5%)×1/2

これに対し認定NPO法人では損金算入限度も高く、免税措置も取られています。
最近では通常のNPO法人にもこのような制度を・・・という声も上がっていますが、見通しが立っていないのが現状と言えるでしょう。